« 疲れたorz(計画停電による就業と生活リズム) | トップページ | なぜ読売新聞はセリーグ開幕実施を非難しないのか! »

2011年3月17日 (木)

完璧な安全設計ってあり得るのだろうか?(原発事故と安全性)

製造業に勤務していると、安全性っていくら求めてもきりがないということにいつも悩む。

・全てのワーストケースを想定して(複数の不具合が発生することを想定して)
 設計することはできる。
 だが、その場合、コストが冗長化設計などで倍くらいに上がる。

・使用される環境、想定される環境を上回った状態が発生した場合に、安全装置を
 作動させて安全に停止させる設計ができるか?
 これも、実使用条件をどこに置くかによる。
 例えば、400年に1度起きるかどうかを想定して設計するのは、やはりコストが
 見合わない。

・多重安全化設計が厳しすぎるとどうなるか?
 ちょっとした不具合でもすぐに安全優先となるので、停止する。
 パロマのガス湯沸かし器の安全装置が作動して停止すると困るので、
 個人(実際は保守員)が安全装置を解除するような細工で使い、事故になった例。

 もっとよくあるケースは、火災報知器。
 これ、敏感すぎるとちょっとした煙でも「誤作動」するので、わざと感知はそんなに
 敏感すぎないように設計している。(あるメーカの話。)

何が言いたいか、勘の良い人はわかると思いますが、例の原子力発電所の件。
よく安全装置が働いて止まったのを覚えてますか?(もう忘れているでしょう、多分)
あれは、多重安全が良くできていたことを示すいい例。
でもマスコミからは非難ゴウゴウ(何で停止した!異常を感知した!など大騒ぎ。)

皆様、どう思います?
飛行機の事故での死者の方が自動車より少ないという事実。
だけど一度に亡くなる死者数は飛行機の方が遙かに多いので大きく報道される。

日本で発生する火災の数ってどのくらいかご存じですか?
火事で亡くなる人ってどのくらい年間にいるかわかりますか?

放射能漏れは確かに自分もとっても恐ろしい。
だからこそ、安全性を最大限に考慮した2重、3重の安全設計がされている。

しかも、最悪ケースを想定して首都圏など人口密度の高いところを避けて
建設される。

新潟の柏崎原発、福井の原発、そして今回の福島の原発。。。
みな、地方の方々の犠牲(つまり誰もが欲しくない原発を設置したということ)、
その上に生活している。

事故が起きたことに対する批判、対応についてのマスコミ、有識者の言いたいことも
理解できます。

でも、あなた方は他に何か良い代替案をお持ちなのでしょうか?
原発以外に安定して安全に電力を確保する方法があれば教えてください。
ダムはダメ、火力は効率が悪い、等々。
(まあ、風力発電だの、太陽光発電などということを言っているようじゃ理解できない
 と思いますけど。。。)

モノを作った苦労を知らない人達に、今回の事故を簡単に「わかったように」言って
もらいたくないなぁ、技術屋としては。

安全設計。
それは実は、コスト、実用性とのトレードオフ。
それらをうまくバランスさせて作るのが、技術。

誰もできないこと、それはそれはとてつもない大きな犠牲(住民、技術者、保安員など)
の上に立って初めて出来た物、それが原発。

安全って何だろう?

この世の中で永久に壊れない物なんて作れない。
どこかが壊れて寿命を迎える。
今回の原発も40年使った問題はあるけど、じゃあ代わりにどこか原発を作ることに
賛成して手を上げてくれる自治体があったのだろうか?

今一度、よーく考えてみたい。この機会に。。。

« 疲れたorz(計画停電による就業と生活リズム) | トップページ | なぜ読売新聞はセリーグ開幕実施を非難しないのか! »

安全性」カテゴリの記事

原発」カテゴリの記事

2024年11月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

管理者からのお知らせ

  • キーワードでの検索について
    お手数ですが下記の「ブログ内検索」をご利用ください。 (Zaurus、NetWalker、CMR-250、CQW-MRB、WiFi、ポメラ、iPod、iPad、iPhone、b-mobile、Xperia、PLANEX、PocketWiFi、Willcom、IS01、IS03、Galaxy、Mac、MacBook Air、iPad2 延期、発売日、価格、白ロム評判比較、Apple、通販、エイコン、携帯イングス、Mac Family、白ロム販売.com、ケータイパラダイス、白ロム携帯販売店を比較、白ロムネット、ネット詐欺、Twitter中毒、など気になるワードを入力してみてください。)
無料ブログはココログ